君に恋して 〜頼久編〜 「神子・・・・・」 あなたは、龍神の神子・・・ 私は、そんな神子をお守りする八葉・・・ ずっとそのままであると思っていた。 けれど、私はあなたを・・・愛してしまいました。 私のこの思いは、許されるのでしょうか。 ただ・・・ただ、あなたの御側にいたい。 夜空に輝く十五夜の月が、私の心を見透かしている様にも見える。 あなたの笑顔が、私のしあわせ・・・ そんなことを、考えていた・・・そんな時。 月明かりにそっと照らされて、あなたが・・・ほのかに見えた。 「頼久さん」 あなたは私の名前を呼び、こちらへと駆け寄って来る。 私は、あなたの頬にそっと手をあてる。 「愛しています」 今宵は、あなたの御側に・・・居させて下さい。 【完】 |