06. 白雪 −真っ白な君−
「おはよう」
ある冬の寒い朝、友雅はあかねに朝の挨拶を告げる。
「おはようございます」
あかねも、友雅にそう言葉を返した。
「今日は、一段と寒いね」
友雅は、呟いた。
そう・・・この日はとても寒かった。
「今にも雪が降りそうだよ」
空を見上げると、曇っていて・・・太陽すら見えない。
そんなとても寒い、朝だった。
「はぁ・・・」
あかねが吐く息は、白くなっていた。
「本当に寒いですね」
その白い息を見て、さらに寒さが増した。
「あっ」
空を見上げていた二人が、声をあげる。
「雪・・・」
空から、雪がふわりと舞い降りてきたのだ。
「綺麗ですね」
あかねは、うっとりと雪を見つめる。
「そうだね」
友雅はそう言いながら、あかねの顔を見つめる。
「えっ」
友雅の視線を感じたあかねは、驚いた様子で声をあげた。
「なんで、雪を見ないんですか」
あかねは、そっと尋ねる。
「君の方が・・・」
友雅はそう言いかけて、止めた。
そして、あかねの方へ近づいて行く。
「えっ」
あかねは、またも驚き声を上げる。
そんな彼女の耳元で、友雅は先程の言葉を呟いた・・・
「君の方が綺麗だよ」
耳元で呟かれた、甘い声。
それに、あかねは意識を失いそうになってしまった。
「真っ白な雪も美しいけれど、君のその肌の白さの方が・・・」
友雅は、甘い声で続けた・・・・・
「とても美しいよ」
友雅は舞い降りてくる雪を見ず、あかねばかり見ていた。
「君は、私の・・・真っ白な雪のような存在だよ」
最後にそう言って、そのままあかねを強く抱きしめた。
【完】
雪なんてどうでも良い。あかねだけで充分なんだ。
そんな感じで、あかねちゃんにラヴラヴな友雅さんでした(041108)