15. 宴 −あなたのいない夜−
「はあ・・・」
自分以外は誰もいない、そんな部屋であかねはため息をついた。
「遅いなあ、友雅さん」
そんな彼女は、友雅の帰りを待っているのだった。
「まだ、終わらないのかな・・・」
友雅は今日、 宴へと招かれ出かけていた。
しかし、予定の時刻を過ぎても一向に戻らない。
「大丈夫かな」
あかねは少し、心配になってきた。
「ただいま」
その時、あかねの背後から声が聞こえた。
「友雅さん」
あかねは、やっと帰って来た友雅の姿を見てホッとした。
「遅くなってすまないね」
友雅は、あかねにそういって謝った。
「いえ、いいんです」
そう言って、あかねは優しく微笑んだ。
「・・・えっ」
突然、友雅があかねを抱きしめた。
「一人にしてすまないね」
あかねを抱きしめる友雅の腕に、さらに力が入った。
「本当は、君も連れて行きたかったが・・・」
友雅は、あかねの耳元でささやくように話す。
「男達が沢山いる場所に、君を・・・」
「えっ・・・?」
「君を連れて行くわけには行かなかったんだよ」
友雅はそう言って、さらに続けた。
「・・・君はとても綺麗だから」
友雅の視線が、彼女の瞳を捕らえた。
「だから、他の男にはみせたくないんだよ」
そのまま、二人の距離はだんだんと近づいて行った・・・・・
【完】
はい。本年初の小説です。如何でしたでしょうか・・・。
嫉妬する、独占する・・・そんな友雅さんもいいかなと(050112)