20. 紅葉 −秋の景色−
季節は巡り、木々が紅く色づく頃・・・
若き恋人達が、二人だけで景色を眺めにやって来た。
「わあ・・・綺麗ですね」
紅葉した沢山の木を見つめながら、あかねは永泉に言った。
「そうですね、神子」
永泉は、微笑みながらあかねに言葉を返す。
「こんな素敵な所へ連れて来てくれてありがとうございます」
あかねは、自分の後ろにいる永泉の方を振り返って言った。
「何か、お返し出来れば良いんですけど・・・」
そう言って、あかねは考え込む。
「い、いえ・・・神子に喜んで頂けただけで・・・」
永泉はそう言ったが、あかねは気にしたまま考えている。
「・・・永泉さん」
しばらく何かを考えていたあかねが、永泉の名を呼んだ。
「何でしょう・・・神子」
永泉はあかねに尋ねる・・・・・
「これが私の、御礼の気持ちです・・・」
そう言って、そっと永泉の頬に口づけをした。
「み、神子・・・っ」
永泉は、驚き・・・慌てた顔をしてあかねを見つめた。
「突然、どうされたのですか」
永泉の顔は、周りにある木々よりも紅く色づいていた。
「み・・・こ・・・?」
突然の口づけの後、下を向いてしまったあかねを永泉は覗きこむ。
「・・・が・・・です」
下を向いていたあかねの声は聞きとりにくかった。
「えっっ・・・?」
永泉は、さらにあかねの顔を覗き込む。
「永泉さんが、大好きです」
戸惑ったままの永泉に、あかねは顔を上げ・・・告げた。
「わ、私もです・・・神子」
あかねの勢いに押され、永泉はそう言った・・・・・
【完】
恋人同士なんですよ。ラヴラヴなんです。多分・・・。
あかねちゃんにグググと押されている永泉さんも良いかな。と(050128)