21. 契り −二人の約束−
それは、満月の夜・・・・・
星々の光を弱くさせてしまう程の月明かりが、男女を照らしていた。
「あかね」
そこにいた男は、自分の目の前にいるあかねの名を呼んだ。
「友雅さん・・・」
あかねは、彼の名を呼び返す。
彼女のその頬は、ほんのりと赤く色づいていた。
「おいで」
友雅は、あかねの腕をそっと掴んで自分の元へ引き寄せる。
腕に掛かる優しいその力に、あかねは体を預けた。
満月が、二人を真上から見下ろしている・・・・・
「・・・・・」
しばらく無言のままで、抱きしめ会っていた二人であった。
その時友雅は、あかねを愛しい眼差しで見つめる。
「・・・あかね」
そして、そっと彼女の名を呼ぶ。
「私と・・・」
友雅の表情は、突然と真剣な物になった。
「私と、夫婦になってくれるかい・・・」
あかねは驚いた様子を一瞬見せたが、すぐに微笑んだ。
そして、こう答えた・・・・・
「はい・・・」
満月の夜、二人は固く契りを交わした。
【完】
何とか、甘々でお送り出来た・・・のではないかと思います。
自分的には、かなり上手く書けたかな・・・と自信作(050130)