24. まどろみ −幸せな午後−
それは、春の日の午後。
暖かな日差しが、京の都を照らしている。
「・・・友雅さん」
あかねは家の中を歩きながら、愛しき男の名を呼ぶ。
「友雅さん・・・?」
何度呼んでも、友雅の返事はなかった。
「あれ・・・いないのかな?」
あかねは、さらに家の中を探しまわった。
「・・・あっ」
その時、あかねの目に友雅の姿が映った。
「こんなところで・・・」
友雅は暖かな日が差す場所で、うとうとと眠っている。
「・・・ふふ、気持ち良さそう」
眠っている友雅の顔を見つめ、あかねは微笑む。
「寝かして置いてあげよう」
そう小声で呟き、その場を離れようとした。
その時・・・あかねの着物の袖が引っ張られた。
「っっ・・・友雅さん」
突然と目覚めた友雅に、あかねはやや驚いた。
「あかね」
友雅は、あかねを自分の元へ引き寄せる。
そして、あかねを・・・そっと抱きしめる。
「このまま・・・このまま、側にいてくれ」
そう、そっとあかねの耳元に囁く。
「はい」
これは、春の日の午後。
二人は暖かな日差しを浴びて、まどろんでいる。
【完】
久々に書きました。こんな話は・・・どうでしたでしょうか??
あかねちゃんメインに話が進んでいますね(050311)