27. 久遠 −幸せな日々−




それは、遙か昔・・・いにしえの出来事。


「あかね」


愛しい人の名を呼ぶ事が、こんなに幸せだったとは・・・
少し前の自分には気が付けなかったに違いない。
泰明は、そう強く感じていた。


「あかね」


何度も、何度も・・・愛しい者の名を呼ぶ。
その姿は、彼らしくはない・・・のかも知れない。
けれど今では、そんな泰明が普通になりかけていた。


「泰明さんったら」


あかねは泰明の姿を見て、クスクスと笑う。
無表情で、何を考えているか分からなかった頃とは違う・・・
そんな泰明が、あかねも愛しくてたまらないのだった。


「これからも、ずっと私の側にいてくれ」


泰明は、あかねにそう言った。


「はい」


あかねは迷う事などなく、すぐにそう答えた。


「・・・私は、幸せだ」


幼子の様な表情で、泰明は笑った。
いつまでも、こんな幸せが続きますように。
泰明は、二人の永遠を強く願った・・・・・


【完】






可愛らしい泰明さん・・・を目指しました。あかねちゃんが変えた後です。
それなりに上手くいったかな・・・と思います。自分では(050327)
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