32. 祈り −戦いのない世界へ−
私は、龍神に祈りを捧げる。
「鬼との戦いが、無くなりますように」
強く、強く願い・・・祈る・・・・・
「永泉さん」
あなたが、私に微笑みかける。
「私も一緒に、祈らせてください」
あなたは、にっこりと笑って私に言った。
「神子、一緒に祈りましょう」
私はあなたの手をそっと取り、祈りを続ける。
きっと、清らかなあなたの存在が龍神を目覚めさせるでしょう。
「龍神も、聞いてくださっていると思います」
どうか、どうか・・・私たちのこの声が聞こえるなら・・・・・
この京に、戦いのない平和をもたらしてください。
「・・・・・」
私と神子は、無言のまま祈りを続ける。
でも、私が強く龍神に祈るのは・・・・・
「神子が無事でありますように」
それが、一番の願いなのです。
【完】
読み方によっては、京の平和より神子の方が大切なのかよ・・・。
と思うかも知れませんね。でも、それだけ好きなのです(050406)