暑い夏・・・・・
まぶしい太陽・・・爽やかな青空・・・
人々のにぎわい・・・楽しい思い出・・・
夏の祭の、二人の幸せな一時。









「あかね、夏祭に行こうか」


友雅は突然、あかねにそう言った。


「は、はい。もちろん行きますっ」


一緒に行きたいな。と前々から思っていたあかねは、
友雅のその問いに、悩む事なく笑顔で即答した。


「嬉しいね」


あかねの嬉しそうな笑顔の返事に、友雅も心から喜んでいた。


「急ですまない。他に約束があったら、どうしようかと思ったよ」


そう・・・夏祭の開催は今日であった。
本当に、突然のお誘いだったのだ。


「本当はもっと早く来たかったんだが・・・」


仕事が忙しくてね。そう友雅は続けた。


「い、いえ。大丈夫です」


あかねは、友雅に微笑みかけながら答える。
本当に・・・本当に嬉しかったのだ。
突然でも、誘ってくれた事が、
嬉しすぎて、泣きそうになってしまうほどに。
その気持ちを友雅に伝えると、
友雅の方も、嬉しそうに微笑みかえす。


「本当に嬉しいよ」


そう言って、あかねの手にそっと触れた。


「行こうか」
「はい」


友雅はあかねの手を引き、祭へと向かった・・・・・









「わあぁ」


夏祭の行なわれている神社に着くと、あかねは声をあげる。
そこは大勢の人々で賑わい、ごった返していた。
そんな光景を目にしたあかねは、とても感激していたのだ。


「京の祭りは初めてだろう?」


はい。友雅の問い掛けに、あかねはそう答えた。


「今日は祭を楽しもうね」


二人は夏祭を、心から楽しんでいた。
時はあっという間に過ぎ、もう日が暮れていた。


「あかね」


友雅はあかねを呼び止める。
そして突然、振り向いたあかねにそっと口づけをした。
まるで、周りの人々の時間だけ動いていて、
そんな幻想的な空間になっていた。


「君はとても綺麗だよ」


友雅はそう言うと、再びあかねに口づけた。
それは、何度も・・・何度も、甘く優しく続けられた。
その後ろでは花火が打ち上げられ、夜空に大きな花を咲かせている。


「今日はとても楽しかったよ。君もそうだろう?」
「もちろんです」


あかねは頬をほのかに赤く染め、そう答えた。
まだ、口づけの余韻がほんのりと残っていたのだ。
その時、友雅が・・・・・

「君が本当に愛しいよ」


そう言った。
暑い、暑い夏・・・・・
眩しい太陽、爽やかな青空、愛しい君の笑顔。
すべてが、この夏の一日に。
君と二人で過ごす・・・二人だけの夏祭・・・・・


【完】






大変長らくお待たせ致しました!二周年記念感謝小説完成です。
遅くなって、本当にすみません。予定より1ヵ月以上も遅れました。
もう・・・風邪を呪いたくなりますよー(涙)ホントに。
止めようかと思いつつ、フリー配布してました。
出来るだけ短くまとめました。話が伝われば良いのですけど(040711)
↓感想送ってくれると嬉しいです(日記にて返信しています)
 

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